油揚げを使った、やや珍しい素朴な丼物のひとつ、

衣笠丼

です。

衣笠丼（きぬがさどん、きぬがさどんぶり）とは、甘辛く炊いた油揚げと青ネギを鶏卵で綴じ、飯に乗せた丼物である。字違いの「絹笠丼」、「信太（しのだ）丼」と呼ばれることもある。

京都発祥のご当地丼とされるが、中身は大阪などで食されている狭義のきつね丼と同じであり、厳密には京都固有の呼び名である。

衣笠とは京都市北区、鹿苑寺に臨む標高201mの山、衣笠山にちなむ。

衣笠山には、真夏に雪景色を所望し、山に白絹を掛けて雪に見立てたという宇多天皇の伝承に因んで“きぬかけ山”とも呼ばれている。この“きぬかけ山”にちなんで、丼に盛った姿をそれに見立て、衣笠丼の名が付いた。

近畿地方を中心に、中国、四国、中京圏あたりにまでみられるローカルフードである。その他の地域では名称はもとより料理自体が知られていないが、明治時代までは東京・吉原の歓楽街でも「あぶ玉丼（油揚げの玉子とじ）」の名で盛んに食べられていたという。

衣笠丼（きぬがさどん）は、京都府発祥の丼物で、その独特の魅力と風味により多くの人々に愛されています。以下に衣笠丼の魅力をいくつかのポイントで紹介します。

1. シンプルで優しい味わい
優しい味付け
衣笠丼の特徴は、シンプルで優しい味わいです。基本的には、油揚げと九条ネギを甘辛く煮て、卵でとじてご飯の上に乗せるというシンプルな構成です。甘辛い出汁の風味がご飯とよく合い、誰にでも親しまれる味となっています​。

2. 京都の伝統食材を活かした一品
油揚げと九条ネギ
衣笠丼には、京都特産の九条ネギが使われることが多く、このネギの風味が料理全体にアクセントを加えます。また、油揚げも京都の名産品であり、その旨味と食感が丼全体のバランスを取っています。これらの地元の食材を活かした一品であることが、衣笠丼の魅力の一つです。

3. 手軽に作れる
短時間で調理可能
衣笠丼は、比較的短時間で簡単に調理できる料理です。材料も身近なものが多く、手軽に作ることができるため、忙しい日の食事にもぴったりです。特に、家庭で手軽に京都の味を楽しめる点が魅力です。

4. ヘルシーで栄養バランスが良い
ヘルシーな食材
衣笠丼は、油揚げや九条ネギ、卵など、ヘルシーな食材を使用しているため、栄養バランスが良い料理です。特に、ネギにはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、健康にも良い影響を与えます。また、油揚げは植物性タンパク質の供給源として優れています。

5. 伝統と歴史
京都の文化を感じられる
衣笠丼は、京都の伝統的な家庭料理の一つであり、その歴史と文化を感じることができます。京都の食文化に触れる一品として、観光客にも人気があり、京都を訪れた際には一度は食べてみたい料理です​。

衣笠丼の魅力は、シンプルで優しい味わい、京都の伝統食材を活かした一品であること、手軽に作れる点、ヘルシーで栄養バランスが良いこと、そして京都の伝統と歴史を感じられる点にあります。これらの要素が組み合わさり、多くの人々に愛され続けています。家庭で簡単に作れるため、ぜひ一度試してみてください。

今日は衣笠丼を食べました
お揚げさんとたまごのどんぶりです pic.twitter.com/cIqulyWItp

— いんちょーし (@inchoshi) May 9, 2024

近畿地方には甘く煮た油揚げと青ねぎを卵で綴じずご飯に乗せる丼もあり、これは一般に「きつね丼」と呼ばれる。しかし「きつね丼」と称して卵で綴じたものを出したり、甘煮していない素の油揚げを卵で綴じて衣笠丼としたりする場合もあり、明確に呼び分けているわけではない。揚げ玉を油揚げの上にあしらった例も認められる。「きつね丼」は、大辞林など大阪の郷土料理と紹介しているものもあり、卵で綴じる、綴じないを問わない。